動画でコメントいただきありがとうございます。動画で紹介した楽天証券の新しい投資信託「楽天・JEPQ」について解説します!
楽天・JEPQとは
楽天・JEPQは、楽天投信投資顧問が運用する、2024年8月22日に設定された新しい投資信託です。
この投資信託は、米国の大型ETF「JPモルガン・ナスダック・米国株式・プレミアム・インカムETF」(ティッカーシンボル:JEPQ)を主な投資対象としています。

出所)J.P.モルガン・アセット・マネジメント資料より楽天証券作成
2025年5月31日時点
過去の実績であり将来を保証するものではありません。
各利回りは次の指標を使用
米国株式: S&P 500の過去12ヶ月の利回り、グローバルREIT: FTSE NAREITグローバルREIT、米国10年国債:米国10年国債利回り、米国ハイイールド債:Bloomberg U.S. Aggregate Corporate High Yield、JEPQ:30日SEC利回り
JPモルガン・ナスダック・米国株式・プレミアム・インカムETF(JEPQ)について
JEPQは、米国の金融大手JPモルガンが運用するETFで、インデックスのパフォーマンスを上回ることを目標とするアクティブ運用型ETFです。主な特徴は以下の通りです。
投資対象と戦略
ナスダック100指数を構成する銘柄を中心に投資し、同時にコールオプション(将来特定の価格で売る権利)を売る「カバードコール戦略」を組み合わせています。この戦略により、株価の上昇によるキャピタルゲインと、オプション売却によって得られるプレミアム(権利収入)の両方を目指します。
カバードコールとは?
カバードコールは、保有している株を将来特定の価格で売る権利を、誰かに売ることで、安定した収入(プレミアム)を得る投資手法です。
例えば、あなたは農家でトマトを育てています。今は1箱1,000円で売っています。ここで、あなたは「1ヶ月後に1箱1,200円で売ってもいいですよ」という「予約販売の権利」を、スーパーに売ることにしました。
この「予約販売の権利」を売ると、スーパーから事前に「予約代」(プレミアム)として50円をもらえます。
- 1ヶ月後、トマトの相場が1,100円だった場合:スーパーは権利を使わないので、あなたはトマトを市場で売って、さらに予約代50円も得られます。
- 1ヶ月後、トマトの相場が1,300円だった場合:スーパーは権利を行使し、あなたは約束通り1,200円でトマトを売らなければなりません。市場価格より安く売ることになりますが、すでに予約代50円をもらっているので、収入は1,250円になります。
このように、カバードコールは株価が大きく上がった時の利益を限定する代わりに、安定した収入を確保できる点が特徴です。
楽天・JEPQのメリット・デメリット
楽天・JEPQに投資する際のメリットとデメリットをまとめました。
メリット
- 高水準の分配金が期待できる: 原資産であるJEPQの運用方針を引き継いでいるため、定期的な分配金(インカム)収入を期待できます。
- 円建てで手軽に投資できる: 通常、JEPQを直接購入するには米ドルが必要ですが、楽天・JEPQなら円建てで投資できます。
- 少額から始められる: 投資信託のため、100円といった少額から投資が可能です。

出典:楽天証券
デメリット
- 基準価額の下落リスク: 投資対象である米国株式市場が下落した場合、基準価額も下落するリスクがあります。
- 元本保証がない: 投資信託は預金ではないため、元本が保証されているわけではありません。
- 為替変動リスク: 米国の資産に投資するため、円高になった場合は為替差損が発生し、リターンが目減りする可能性があります。
ETFを直接購入するのではなく投資信託を買うメリット
JEPQを直接購入する代わりに、楽天・JEPQのような投資信託を通じて間接的に投資することには、いくつかのメリットがあります。
- 円建てで投資できる: 米国ETFの直接購入には米ドルへの両替が必要ですが、投資信託なら円のまま購入できます。為替取引の手間やコストを削減できます。
- 積立投資が簡単: 投資信託の多くは、毎月一定額を自動で買い付ける「積立投資」に対応しています。これにより、ドルコスト平均法(価格が低いときに多く、高いときに少なく買う方法)の効果が期待できます。
- NISA(新NISA)での活用: JEPQはNISAの成長投資枠で投資できますが、投資信託である楽天・JEPQももちろん対象です。
楽天・JEPQの注意点
楽天・JEPQは魅力的な商品ですが、投資する前に知っておくべき注意点がいくつかあります。
1. 信託期間が設定されている
楽天・JEPQには、信託期間が設定されています。本ファンドの信託期間は、2025年8月14日から2035年8月14日までの10年間です。
これは、このファンドが永久に運用されるわけではなく、原則として10年後に運用を終了する可能性があることを意味します。もし、この期間の満了が近づいてから投資を始めると、ファンドを保有できる期間が短くなります。例えば、2030年に投資した場合、保有できるのは残り約5年間となります。
信託期間が満了した際には、運用会社が期間を延長するか、ファンドを償還(解散)するかを決定します。
2. ETFに直接投資するより手数料が高い
楽天・JEPQは、投資信託としてJEPQというETFに投資するため、JEPQを直接購入する場合に比べて手数料が上乗せされます。
JEPQそのものにかかる信託報酬に加えて、楽天・JEPQを運用するための信託報酬も発生します。
参考として、人気のインデックスファンドと比較してみましょう。
- 楽天・JEPQ: 年率で0.999%程度(税込み)の実質的な信託報酬
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー): 年率0.05775%(税込み)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500): 年率0.09372%(税込み)
ご覧の通り、インデックスファンドと比べると、楽天・JEPQの手数料はかなり高くなっています。これは、アクティブ運用であるJEPQに投資していることや、定期的な分配金の支払いなど、運用にかかる手間が多いためです。
その他の注意点
- 毎月分配金が出る保証はない: 毎月決算型で、分配金が支払われることが期待されていますが、必ず分配金が支払われるわけではありません。運用の状況によっては、分配金が出ない月もあります。
- 為替ヘッジがない: 原資産であるJEPQは米ドル建て資産のため、為替変動の影響を直接受けます。円高になると、基準価額が下落するリスクがあります。
- 価格変動リスク: 主な投資対象が米国株式市場であるため、市場が大きく変動した場合、基準価額も大きく上下する可能性があります。
これらの注意点を理解した上で、ご自身の投資方針に合わせて判断することが重要です。
楽天・JEPQの購入方法
楽天・JEPQは、楽天証券のウェブサイトやアプリから購入できます。
購入手続きは以下の通りです。
- 楽天証券にログインします。
- トップ画面検索窓の横を投資信託に変え正式名称の「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」と入力します。

- 表示されたファンド詳細ページから購入/積立設定を選択


まとめ
楽天・JEPQは、米国の高配当ETFであるJEPQに、円建てで手軽に投資できる新しい選択肢です。特に、定期的な分配金収入を期待したい方や、米国株投資に興味があるものの、直接のETF購入にハードルを感じていた方にとって魅力的な商品と言えるでしょう。
【免責事項】
投資にはリスクがあります。
本記事は、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は元本割れのリスクを伴う場合があります。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
コメント